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一本の棒状の材木。最初、わたしは何かわからなかった。短い電信柱のようなものだ。「床柱ですよ」と工場の案内の人がいった。「床の間の?」「その脇にとりつける化粧柱のことです」「プレハブ住宅にそんなものが求められているとは思いませんでした」わたしには意外だった。「いいえ、最近は需要が多いんです」その元になる材木を見せてもらった。八面体の棒材だ。断面を見て驚いた。四枚の厚板が重ね合わさっているのがわかる。接着剤で貼りつけられたのだろう。一本の丸太ではなかった。「床柱にできるようなムクなんて高くてとても使えないし、需要に見合うだけの数は手に入らないんです」材木のことを少しでも知っている人はひと目で、これが集成材だということがわかるだろう。それでも表面を削るとムク(本物)の木のように見える。表面がツルッルに削られると、こんどはシートのように薄くした「木の皮」をぐるりと貼りつけていく。これもすべて自動化されている。これで床柱の出来上がりかというと、そうではなかった。

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